ろくでなし子の関係者 逮捕の謎。石膏がわいせつ物ではない2つの理由
女性器の３Ｄデータを配布したなどとして、警視庁保安課は３日、わいせつ電磁的記録記録媒体頒布などの疑いで、東京都世田谷区野毛、漫画家、ろくでなし子こと五十嵐恵容疑者（４２）を再逮捕するとともに、女性器の石膏（せっこう）型を展示したとして、わいせつ物公然陳列容疑で、文京区本駒込、作家でアダルトショップ経営、北原みのりこと渡辺みのり容疑者（４４）を逮捕した。（1）
上記のニュースについて、僕は「なぜ、女性器の石膏を展示したらわいせつになるのか？」と疑問に思いました。ここでは、女性器の石膏について書きます。わいせつなデータの送信については書きません。
わいせつ性ってなに？
わいせつの定義は、何回か変更されてきましたが、以下のような定義があります。
最高裁（昭和55年11月28日判決）は、文書のわいせつ性の判断に当たっては、
(1)当該文書の性に関する露骨で詳細な表現の程度とその手法、
(2)その表現が文書全体に占める比重、
(3)文書に表現された思想等とその表現との関連性、
(4)文書の構成や展開、
さらには(5)芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の程度、
そして、これらの観点から該文書を全体としてみたときに、
(6)主として読者の好色的興味に訴えるもの（2）
今回は女性器の石膏なので、（6）の読者の好色的趣味（淫らである）に該当しています。
わいせつVS芸術
ただし、わいせつ性は芸術性との兼ね合いも考慮されます。つまり、「わいせつではあるけれども、芸術としての側面が強く認められる。」と判断された場合には、わいせつではないという判断がされます。
僕は、女性器の石膏は芸術性が認められるべきだと思います。なぜなら、海外での事例ですが、イギリスの芸術家が女性器の型取りをして展示したことは、わいせつとして逮捕されていません。（3）同様に、女性器の石膏も芸術であると言えるのではないでしょうか？
石膏は、性的興奮を刺激するか？
わいせつ性とは性的興奮を刺激するか？という見方もあります。一般的に、オナホは、性的興奮を刺激することを目的としています。だから、オナホは、年齢制限を設けているし、性器に触れるということで薬事法の許可も必要です。（4）
twitterでは、問題なくオナホは販売されているとありましたが、上記のようなことが必要なことを後から知りました。すみません。
3Dの女性器がわいせつなら、AV女優モデルのオナホも問題でしょう。 警察との癒着か？怪しい。／ろくでなし子容疑者また逮捕 女性器の３Ｄデータ配布容疑（産経新聞） - Y!ニュース http://t.co/6EDoLvSphk
— 天乃唯依（ ゆい ） (@amano_yui) 2014, 12月 3
しかし、一般的に、女性器の石膏をみて、性的興奮を刺激させられることはないです。この観点からも、わいせつ性があるとは言えません。
まとめ
以上、わいせつ性と芸術性、性的興奮を刺激するか？の観点から、「女性器の石膏は、わいせつなものではない」という結論を出しました。
参考サイト
1，
Yahoo!ニュース - ろくでなし子容疑者また逮捕 女性器の３Ｄデータ配布容疑 （産経新聞）
2、
わいせつ性は、裁判所でどのように判断されてきたのか(園田寿) - 個人 - Yahoo!ニュース
3、
18歳以上400人の女性器を型取りして並べたアート「The Great Wall of Vagina」 - GIGAZINE
